僕はすごすごとオフィスに戻りまたパソコンに向かった。さすがの桑田課長も雰囲気を察してか何も言わなかった。時計は7時半。
くっそぉー。怒りとも憤りとも悲しみともつかない炎のような感情が僕の内側から湧き起る。メラメラメラと燃え上がるその炎はやがてぐおぉーと燃え盛り、オーラのように僕を包み込んだ。
くっそぉー。怒りとも憤りとも悲しみともつかない炎のような感情が僕の内側から湧き起る。メラメラメラと燃え上がるその炎はやがてぐおぉーと燃え盛り、オーラのように僕を包み込んだ。
うおぉぉぉぉぉ!叫びが口から迸る。身体から立ち昇るそのメラメラはパソコンも包み込み、もはや身体と一体と化したノートパソコンのキーボードを異常な速度で両手の指が動いて行く。頭ではもう何も考えていない。ただただ文字が打たれ画像が動き画面がスクロールされて行く。
うおぉぉぉぉぉ!うおぉぉぉぉぉ!
もう叫んでいるのか、心の叫びなのかすらわからない。霞んだ視界の中、ページ数が30、35、40、45とぼんやりとめくれて行く。キーボードを叩く音だけが頭の中で響いている。まとめのページに入った。もうすぐだ、と感覚が知らせる。
うおおりゃぁぁぁー!最後のエンターキーを渾身の力で叩きつけるように押して作業が終わった。ページ数は55。
うおおりゃぁぁぁー!最後のエンターキーを渾身の力で叩きつけるように押して作業が終わった。ページ数は55。
メラメラと燃えていた炎が徐々に薄れて行く。呼吸が荒い。身体中から汗がしたたり落ちる。そうだ、と気づき印刷キーを押す。
ウィィィィーン。チームの島のドア側の端っこにあるプリンターが作動し紙を吸い込む。
ガッチャゴーン、ガッチャゴーンとプリントされた紙が吐き出される音がする。僕は目を瞑って音を数えながら呼吸を整える。汗は流れるままにして、ただただ数を数える。汗を拭く気力さえ残ってはいない。
38、39、40・・・54、55。ウィィィィーン、ガッチャ・・・。
ウィィィィーン。チームの島のドア側の端っこにあるプリンターが作動し紙を吸い込む。
ガッチャゴーン、ガッチャゴーンとプリントされた紙が吐き出される音がする。僕は目を瞑って音を数えながら呼吸を整える。汗は流れるままにして、ただただ数を数える。汗を拭く気力さえ残ってはいない。
38、39、40・・・54、55。ウィィィィーン、ガッチャ・・・。
印刷が終わった。僕は立ち上がりプリンターから55枚のプレゼン資料を取り出す。傍に落ちていたダブルクリップで左上を挟み、課長の席に向かう。
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